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【 ハイジさん(女性・30代)の場合】

 職場の「ワーママ様」に困っています。本人は無自覚のようですが、「私は育休から復帰してきたのだから、私は特別、働かなくて当たり前、優遇されて当たり前でしょ」という働き方に、同僚たちが正直迷惑しており、応援する気をなくしています。うちの組織では育休復帰の事例が少なく、周りも甘やかしてしまったのかもしれません。

 私はそのワーママ様のことはもう成り行きに任せるつもりなのですが、また別の女性獣医師が妊娠して内勤になりました。

 その子が復帰するときにアドバイスとして、どういう復帰の仕方をしたらよいか、育休からうまく復帰できている人の働き方や態度、また逆に、こんな復帰の仕方をして周りを困らせた事例などがあれば教えてほしいです。これから育休を取得する女性獣医師の復帰を支える参考にしたいです。(2021-03-15)


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【 マインさん(女性・30代)の場合】

 ハイジさん、日頃のお仕事お疲れ様です。

 職場に育休から復帰した同僚がいらっしゃるんですね。ほかの同僚たちが迷惑している、というのは業務量が多くて残業になるということでしょうか。また、育休から復帰する方を支えたいというお気持ちがあるのですね。

 投稿を拝見して、私の考えを参考にしていただければと思いました。

 私は2回育休を取り、復帰後は時短勤務をしていました。そして3回目の育休から復帰せず退職しています。その立場からの発言ですので、多少バイアスがかかっていることをご了承ください。また、ハイジさんの職場や、育休復帰後の同僚の方の細かい状況がわからないため一般論になります。

 

①「ワーママ様」の働き方について。

 もし育休復帰後の方が時短勤務または時間外勤務を制限する届をしていてほかの方の負担が増しているなら、管理職・経営者に人員配置や業務量の見直しを行うように同僚の皆さんで伝えてください。また、管理職や経営者は職場で時短勤務等の制度について周知はしていますか?制度に則って勤務時間を短縮・制限するのは労働者の権利です。労働時間が短くなればその分賃金も少なくなっています。そして、組織全体で業務量の配分を見直し、残業等が発生していれば適切に賃金を支払うのが使用者の役目です。制度を利用している労働者個人を非難することが起きているのなら、管理職・経営者の労務管理が不十分だと思います。

 もし育休復帰後の方が時短勤務等の制度を利用していないなら、この限りではありません。制度に基づかず勝手に労働時間を減らしているのであれば、管理職がその方に対して注意し、制度利用について指導するべきです。

 

②育休復帰者の態度について

 一緒に働く仲間へのマナーとして、配慮してもらうことへの感謝等を言葉や態度で示すことは大事なことです。「ワーママ様」に、同僚の皆さんの気持ちを逆撫でするような言動があったとすれば残念なことです。ただ、ハイジさんの投稿を拝見すると、「わきまえた態度」を取ることが配慮の交換条件になっているように感じます。「あの人の態度はダメだからもう知らない、あなたはこのように振る舞えば支えてあげる」と育休取得予定の方の態度を指導するのは、その方を支えるやり方として得策とは思えません。

 育休から復帰する職員を支えるというお気持ちがあるのは、当事者にとっては大変喜ばしいことです。一案ですが、復帰後の働き方について理解ある職場にするよう、管理職に働きかけてみてはいかがでしょうか。例えば育児休業や介護休業、時短等の制度の勉強会を行なうことで、本人も同僚も働き方について理解を深められると思います。

 育休後の事例が知りたい、と書かれていましたが、育児の状況は各家庭でかなり異なります。子ども・本人・配偶者・親族それぞれの健康状態や仕事・生活状況、自治体等の福祉制度、民間支援の有無など、様々な要素が絡んできます。一つの上手く行っている例が全てに当てはまるとは限りません。

 復帰した方とコミュニケーションを取り家庭の状況を把握した上で、本人も同僚も納得できる働き方を考えると良いと思います。

 

 投稿の中では「女性獣医師」となっていましたが、育児をするのは女性に限りません。男性の育児もぜひ応援してあげてください。

 そして今後、育児だけでなく介護で職場を一時的に離れる方は男女問わず増えるかもしれません。

 育児や介護をしていない方でも、怪我や病気で今までの働き方ができなくなることがあります。

 支えてもらった側は、いずれ支える側になります。支えた側は支えられる側になるかもしれません。

 今まで「普通」とされてきた働き方をできない方が離職を選べば、貴重な人材が失われ残った方の仕事の負担が重くなったり、育成の労力がかかります。職場全体で「お互い様」と支え合うよう環境を整えると、長期的に見て組織の成長や効率性向上に寄与すると考えます。

 長文で申し訳ありません。お読みいただきありがとうございました。ハイジさんの職場環境が、働く皆さんにとってより良くなるように願っております。(2021-03-17)



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【 ハイジさん(女性・30代)の場合】

 マイン様

 

 ご回答ありがとうございます!

 確かに、ママ獣医師だけでなく、パパもですね!

 私も「ワーママ様」と同じような環境と状況の中での育休復帰者です。しかし、自分の復帰したときが慌ただしすぎたせいか、どんなだったかよく思い出せません…

 彼女も私も時短勤務で仕事量ももちろん減らしており、突然の休みやお迎えなどにも、周りのフォロー体制も、慢性人手不足なのでまだまだ完全ではないながらできている状況であると思います。そのフォローのおかげで私も離職せずに続けることができているのですが、実際に「両立」ができているのかどうか、もっとうまくやる方法があるのでは…と自問自答中の身です。

 残念ながら、彼女の場合は、逆なでする態度や言動が問題でした。業務の負担に対してよりも、そこが「迷惑」と思われたり、「ワーママ様」と思われてしまった所以のようです。←ごめんなさい、ここが投稿の言葉足らずでした。マインさんのおっしゃるように、彼女にはマナーが、私達にはコミュニケーションがまだまだ足りていなかったのではとハッしました。私にはこの畜ガールズの場や(彼女に過去のマインさんの投稿内容を紹介したこともあります)、職場内外含めて先輩に相談に乗ってもらう機会がたくさんありましたが、彼女にはそれがなかったかもしれない…誰も話を聞いてくれなかったのかもしれない…と思います。

 わきまえた態度をとは言うつもりはありませんが、感謝の気持ち、大事ですね!復帰者であろうとなかろうと、周りに対して感謝の気持ちを伝える態度は職場だけでなく家族関係や友人関係でも大事なことですしね。指導は得策ではないとのこと、もちろんだなと思いましたが、ここだけは伝えておこうと思います。当たり前がゆえに、そして毎日が必死すぎて意外と抜けている点な気がします。私も絶対やらかしていると思います。

 

 制度の勉強会はいいアイデアです!!今から産休に入る人も、本人も周りもそれをよくわかっていないことが復帰への不安の一つになっていると思います。管理職であっても、ほんとにみんなよく知らないんですね…制度をとっている本人(私)に、管理職から質問されていました(笑) 制度側については、提案や思案しながらコミュニケーションをとりつつ環境整備をしたいと思います。

 指導が得策でないのはわかりましたが、復帰したとはいえまだまだ支援してもらっている立場で、自問自答中の私にとっても、制度に頼るだけでなくて何か復帰者側ができることもないかなとやっぱり思います。後輩からも、復帰後の働き方、両立の仕方を相談されました。そこで、もちろん状況によって違うとは思いますが、本人ができる工夫、コツ?、モチベーションを保つために本人ができること、そんな経験や事例をマインさんだけでなく、成功例・失敗例含めて皆様にお聞きしたいです。私こそ長文失礼しました。(2021-03-18)



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シャイニングさん(女性・30代)の場合】

 うちの職場の話かと思いました。今、私の職場でも同じようなことが起きています。私も育休から復帰して、時短制度を利用しながら毎日バタバタと試行錯誤しながら仕事と育児の両立を目指しているところです。

 私の職場も育休復帰者がまだまだマイノリティで、周りがどう扱っていいのか探りあっている状況です。残念ながら、ワーママ様として復帰して、管理職や後輩が対応に困っている話も耳にしました。その評価は、同じワーママの私への評価でもあると自覚しています。子持ち獣医が、自分で自分たちの復帰の価値を下げる働き方はしたくないし、してほしくありません。

 ハイジさんの「制度に頼るだけでなく、復帰者側にできること」に共感しました。制度がもっとこうだったらよかったのに、周りがこうしてくれたら働けるのに、でなく、自分から変えていけたらステキだなと。もちろん、時短などの制度に助けられていますが、それだけじゃもったいなくて。妊活を考えている後輩から、不安や復帰後の働き方を相談されました。制度について知らないこともあるようで、制度の説明と、さらにもう一つ、自分からできること、仕事のモチベーションや楽しさを保つ工夫など、伝えたいです。

 昨年12月の畜ガールズの「ここからはじめる獣医師の働き方改革」のディスカッションの中で「得意分野、特徴をもつ」というのがありました。臨床をしばらく離れていた上に、時短勤務中の私には、得意分野として診療技術ではなかなかフルで働ける人達にはかないません。しかし、せっかく得られた育児の経験や、家事が何もできなかった夫を教育し、家事育児を分担させたマネジメント力などが、後輩の養成や仕事の作業分担や簡略化などにつながらないかとか、何か自分のキャラクターになればと思っています。小さなことですが(笑)

 小さい子供を抱えて働くことは大変です。私も毎日記憶がありません。でも、それを支えてくれる周りの同僚も、同じように大変で、いつかは自分も支える側に回ることを忘れないように、そのワーママ様にも頑張ってほしいですね。私もですけど!(2021-05-11)



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【 ハイジさん(女性・30代)の場合】

 シャイニングさん

 

 ありがとうございます!得意分野、特徴を持つ、素敵ですね。それならあまり気負うことなくまず自分で掴み取っていけそうです。4月から人事異動で私も環境が変わり、また新たにどうやって毎日を乗り越えていこうか考えているところでした。

 制度に頼るだけはもったいない!いいですね!そんな感じ、前向きで好きです。

 制度に助けてもらいながら、また周りの人に支えてもらいながらですが、自分の力と工夫で働く意義やモチベーションを保っていきたいと思います。(2021-05-15)



(みなさまのご投稿をお待ちしています。)