2016年1月,北海道九州動物臨床ジョイントシンポジウム2016の中で,宮崎市の医師・重黒木 真由美先生に特別講演「口蹄疫がメンタルヘルスに与えた影響」を行なっていただきました。その中で特に,メンタルヘルスについてお話しいただいた内容を以下,ご紹介します。
重黒木 真由美 先生 のお話(2016年01月講演)から
ストレスについてまず知ることが大事!
ストレスには,職場におけるものと職場以外におけるものとに分けると,次のようなものがあるということです:
※いずれも重黒木先生のスライドを加工したもの
ストレスについて,こういったものがあるということをまず知っていないと,ストレスが生じた時,それがストレスであることに気づくことも困難かもしれません。聴講者の中に,ご自分の過去を振り返られて次のようにお話しされた方がいました:
「 ”仕事のことも家のこともちゃんとできない自分はなんてダメ人間なんだろう” と,ずっと苦しんでいた... 」
もちろん彼女はダメ人間なんかではありませんでした。その時の彼女は,その時は気づいていなかったけれど,職場で心理的負荷レベル2,職場以外で心理的負荷レベル1の状態にあったのだということが,この講演を聴いて分かったそうです。もともとストレスのあったところにさらに別のストレスが重なると,人のメンタルは一段と弱りやすくなるものなのだそうです。
職場にも,職場以外にも,メンタルヘルス悪化のリスク要因は潜んでいます。ですが,知識があれば早めに対処でき,重症化も防げるということです。メンタルヘルスの基本には,次のようなものがあるそうです:
・セルフケア(自分自身によるケア) ・ラインによるケア(上司など管理監督者によるケア)
ストレスとうまく付き合うこと,まずはリスクを少なくすることもメンタルヘルスの基本だということです。
女性ならではのストレスも知ろう!
女性には女性ならではのストレスもあります。働く女性がかかえる問題には,次のようなものがあるということです:
※重黒木先生のスライドを加工したもの
働く女性には幾つかのライフステージがあって,それぞれのステージで特有の問題が起こりうるということ --- このことについても,やはりまずは知っていないと,問題がストレスを引き起こした時に,それがストレスになっていると気づかず,いつの間にか深刻にメンタルを病んでしまうかもしれません。働く女性がメンタルヘルスを悪化させないために,女性自身がまず,女性ならではのストレスについて知っておくことも大事なのですね。
(報告:ジャスミン)