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【 アチョウさん(男性・40代)の場合】
 共済組合に勤務する40代男性、妻と子供2人の4人家族です。ママさんたちに比べたら微々たるものですが、この場を借りて紹介させて下さい。
 1人目の子供が生まれた時、妻がすぐに仕事復帰しなくてはならず、充分な育休がとれない状況でした。初めての育児で不安な上、まだまだ首の座らない乳飲み子を保育園に預けるのもしのびなく、思い切って私が休みを取ることにし、当時の上司の勧めもあって育休ではなく、有休消化の形を取りました。4月からゴールデンウイーク明けまでの6週間(有休としては29日)の休みを取りましたが、妻は平日日勤なので夜間と休日は当直に入りました。休みを取れた事で妻も仕事を辞めずに済み、子育てにも参加できたので気持ちの満足度としては高かったのですが、前年度からの繰越し込みで最大40日ある有給のうち29日を使ってしまい、有休の残りが少なく後々子供の急病対応などで困りました。また、有休消化によりボーナスの勤勉手当分が減額されてしまいました(泣)。
 2人目の子供が生まれた時は、妻が1か月間実家に帰省する事ができたので、その間は夜間当直を減らしてもらい、上の子と父子生活を満喫しました。妻が自宅に戻ってきてからサポートのため、2週間だけでしたが今度は有休ではなく「育休」として休みを取りました。育休を申請するにあたって、当時の上司が理解を示してくれた事が大変ありがたかったです。形はどうあれ、2人の子供どちらにも休暇を取ってじっくり育児に関われたことは私にとって貴重な経験となり、考え方も変わりました(後々農家ママさんからの受けも上々でした)。
 振り返ってみると、一家の主として収入が減ることや、中堅の自分が休むことで周りの負担が相応に増える等、悩みは尽きませんでした。私の職場では事務職も技術職も、男女ともに育休を取った職員は私が初めてだったのですが、男性社会バリバリの職場雰囲気の中で前例を作って、若い女性職員に道を開きたいという想いも少なからずあったのを覚えています。
 周りを見渡すと、奥さんに頭が上がらない気の優しいダンナ様もいたりして、育児初期は定時退社や当直を減らすなどの配慮や、「少しでも育児休暇をとる」という姿勢が男性側にも求められる時代になってきているかも知れません。国策として男性の育休取得率90%を実現したノルウェーの例もありますし、少しずつでも実例が増えれば、将来は当り前の感覚になっていくのではないでしょうか。(2017-01-14)


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【 クララさん(女性・30代)の場合】
 アチョウさん、育休取得すごいですね!これがすごいでなく、当たり前になってほしいものですが…
 うちの職場では、育休を取得した獣医師がまず今年初めてです。女性獣医師は、ほとんどが結婚退職していましたから。男性獣医師は当然取ったことも、取れる空気ではありません。ちょうどここ数年が若手男性獣医師の妻たちの出産ラッシュですが、早く(といっても定時)帰宅する獣医師も少ないです。長時間労働が当たり前で、遅くまで働くことが美徳の感覚が抜けていません。乳児が家で待ってても…。妻はワンオペ育児ってやつですね。だから、女性は結婚したら辞めちゃうんです。仕事しながら育児なんて無理!て。
 私も今は育休中ですが、バリバリ現場を回っていたころに、もし同じ職場の男性獣医師が育休をとるとなると、正直に言って応援できなかったと思います。「今あなたがいても帰宅が夜10時11時で、あなたが抜けてその負担はどこにいくの!?」という気持ちでいっぱいになっていたと思います。でも、本当の問題はその人が抜けたことでなく、誰かが育休を取得すれば回らなくなる組織と、その人がいてもいなくても深夜までの残業が当たり前になっていることなんですよね。人員の確保や診療所のあり方を考え直さなければならない問題です。
 4月から私は復帰します。フルで勤務すると保育園のお迎えに間に合わないので(定時に帰れないから)時短勤務です。現場では初めてのことです。周りの獣医師への負担を考えると胃が痛いです。これが、胃が痛いことでなく、当たり前になってくれるようになってくれればと願うばかりです。
 そして、私が妊娠して内勤になったときに、「君が妊娠してもここでやっていられるのは、私達が外で働いてやってるからだ」と言った元上司に、アチョウさんの投稿を見せてやりたいです。(2017-01-25)



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